住宅と、家は、異なります。日本人が「家」を「住宅」と呼びはじめたのはいつからでしょう。おそらく戦後からではないでしょうか。時代が大量生産・大量消費を求め、家を商品と位置づけはじめてから住宅と称するようになった。家は、はたして、商品なのでしょうか。家は、家電製品や食料品などのような商品ではありません。店頭に並べていれば勝手に売れていくようなものではないですし、専門知識をもたない販売員や生産者がたやすくあつかえる代物でもない。
しかし、住宅を商品として見なしている昨今は、誰もがたやすくあつかっている。家を知らずに家をつくっている。家を知らずに家を売っている。そんな時代を、業界を、わたしたちは憂えています。わたしたちは、住宅をつくりません。「住宅」を生産して販売する会社は星の数ほどあります。しかし「家」をつくり提案する会社はきわめて少ない。
わたしたちは、住宅ではなく、家をつくる会社になりたいと思います。住宅という“売り手のための商品”ではなく、家という“住まい手のための作品”をつくります。わたしたちは、家の、家元になりたい。この国の正統な家を語り、創り、継承していく家元でありたい。
わたしたちは、家の、家元へ。