“L spoon.”、第4回目はともさかりえさんをゲストにお迎えしました。25年(！）のキャリアで培った確かな演技力。物事を切り取る視点や言葉選びにセンスが光るブログでは、舞台裏や子育てなど、日常の様子を見せてくれます。たくさんの魅力を持つともさかさんに、女優のお仕事や、母親として感じることなどを自由に語っていただきました。

演じる醍醐味、綴る魅力。

12歳で芸能界デビューし、これまでたくさんのお仕事と出会いを繰り返してきたともさかさん。自らを取りまく環境に対して「常にトライすることがあり、ずっと学ぶ機会がある。毎回胃が痛くなるけれど、ひとつ山を越えると、この反省を次につなげようと思う。トライできることが自分の活力となっている」といいます。また、女優というお仕事について「自分とは違う人になれるということ。お芝居だったら意地悪を言ったり、強気になったり。役を通じて色んな人の人生を体感でき、第三者になれるのが醍醐味」と紹介。母親になったことが、仕事にどう影響したかという話題では「どのような役であっても、その人柄や癖をイメージしながら演じているけれど、経験したからこそできる仕草もある。自分の子どもと結びつけて考えるわけではないが、気負わずに向き合えるようになった」と話していました。

ともさかさんは、言葉で伝えることは得意ではないそうですが、書くことは思いをうまく伝えられるので大好きだとか。会場にはともさかさんのブログのファンも多く、MCから「ブログを見ている人はいらっしゃいますか？」と聞かれると次々と手が挙がり、ご本人も驚くほどでした。

「母親」として、思うこと。

母親になると、生活に「育児」が加わる以外にもさまざまな変化があるようです。ともさかさんは「産む前は仕事と生活の境目がなかった。地続きで、いろいろとうじうじ考えていたけれど、子供ができると物理的に時間がなく、否応なしに切り替わる。こうなりたいという理想があってもなかなか自分を変えられないけれど、環境に背中を押してもらった」と振り返ります。たとえば、一人だったらご飯を食べずに寝ていたけれど、お子さんが生まれると、ご飯を作って食べさせるような。一見面倒かもしれないけれど、結果的に自分の健康につながっているという、そんな発見があるそうです。
また、ある時までは自分の時間を作ることを後ろめたく感じていたそうですが、「お母さんが元気じゃないとうまくやっていけない」と気づき、自分が元気になれるよう意識して時間をつくるようにしているとのこと。お芝居を見ることもありますが、つい仕事につなげて考えてしまうため、「心からリフレッシュするためにはライブですね。純粋にきゃーっとなれて、無条件にストレス発散ができます」と、ジェスチャーを交えて話していました。

お子さんは今年で12歳。「思春期の扉を開けかけている」段階で、時にはきつく当たられることもあるそうですが、お子さんの話をするともさかさんは、実に優しい表情。時折、会話にはさまれる「かわいいですけどね」の言葉に、深い愛情が伝わってきました。

「やっぱり女友達だなと。」

ともさかさんにとって「ママ友」はとっても大切な存在。日々の生活の愚痴を言い合ったり、「胃が合う」友達
と、あのお店に行きたいなどと盛り上がったりしているそうです。一緒に旅行に行くこともあり、昨年のクリスマス旅行では、お子さんたちは部屋でゲーム、ともさかさんとお友達はエステを満喫したそう。「優しくタオルをかけてもらったり、『強くないですか』『寒くないですか』と言われ、とてつもなく癒された。終わって涙が出そうになった」と振り返りました。余談ですが、ともさかさんは、実に表情豊か。状況が目に浮かぶ話しぶりに、さすが女優！と感じた方も多いのではないでしょうか。

ざっくばらんなやりとりも

参加者の方との交流もありました。「独身のうちにしておくべきことはありますか？」と聞かれると、「いいですねぇーーー、独身！その言葉だけで若返った気がする！」と力強く反応し、「自分のためだけに時間を使えたのが独身。行きたいところに行って、好きなものを食べて、好きなだけ寝て。あぁ、二度寝をしたいですね…。ぜひ、独身を満喫してください」とアドバイス。ともさかさんから先輩ママに向けて「うちの息子が少食なんですが、いつ頃から変わるのでしょうか」と質問も飛び出すなど、トークはとっても近い距離感で進んでいきました。会場はもちろん、ともさかさんも「このままお酒を飲みながら話していたい」と楽しんでくださった様子。あっという間に時間が過ぎたL spoon.でした。

参加者のみなさん、ともさかさんのブログ(http://ameblo.jp/tomosaka-rie/)はご覧になりましたか？トーク中に参加者の方に勧められた「８番らーめん」がアップされていました！

ゲストプロフィール

ともさかりえ

1979年東京生まれ。12歳で芸能界デビュー。TVドラマ「金田一少年の事件簿」（95年、日本テレビ）で一躍全国区に。以降、ドラマや映画、舞台、音楽など幅広いジャンルで活躍。2004年には長男を出産した。06年には公式ブログ「ともさかりえのオフィシャルブログ」がスタート。「ともさかりえの徒然note」（2008年、主婦と生活社）や「中身」(2013年、幻冬舎）などの著書もあり、最新作は友人で料理研究家の行正り香さんとライフスタイルや料理レシピを紹介するエッセイ「オトナ時間。オンナ時間」（2015年）。4月には舞台「たとえば野に咲く花のように」（4月6日～4月24日 新国立劇場 小劇場THE PIT）の出演が決定している。