
■ Scene 01:小さな家族の、大きな決断
― 家づくりを考え始めたきっかけを教えてください。
施主・ご主人:
「アパートでの子育てが、思っていた以上に大変で。子どもが元気に動き回るようになってくると、やっぱり空間の限界を感じました。」
2歳の長男。
そして、もうすぐ生まれる第二子。
家族が増えていく未来を思うと、
今の住まいでは少し手狭に感じ始めていた。
施主・奥様:
「家賃を払い続けるよりも、将来のために家を持つ方がいいのではないかと思いました。」
それは、決して背伸びした夢ではない。
“これからの暮らしを整えるための選択”。
24歳という若さだからこそ、
これから長く続く家族の時間を大切にしたいという想いがあった。
■ Scene 02:好きなものが多いふたりの暮らし
― ご夫婦のライフスタイルについて教えてください。
施主・奥様:
「土日は基本的にお休みなので、子どもと一緒に出かけることが多いです。家族で過ごす時間は大切にしたいと思っています。」
休日は、公園やショッピング、ドライブ。
家族の時間を中心に回る生活。
そしてもう一つ、ご夫婦の共通点がある。
それは“ファッション好き”ということ。
施主・ご主人:
「服が好きで、どうしても増えてしまうんです。でも片付けはあまり得意ではなくて(笑)。」
洋服、靴、小物。
気づけば、クローゼットはいっぱい。
だからこそ今回の家づくりでは、
収納設計が重要なテーマとなった。
施主・奥様:
「ホテルみたいに、すっきり見える空間が好きなんです。ゲストが来ても生活感が出すぎない家にしたいと思いました。」
ホテルライク。
それは“特別な空間”ではなく、
日常を少しだけ整えるための美意識でもある。
■ Scene 03:育った環境を、次の世代へ
もうひとつ、この家に取り入れたい要素があった。
それは「ロフト」。
施主・ご主人:
「僕も奥さんも、子どもの頃ロフトのある部屋で育ったんです。秘密基地みたいで楽しかった記憶があって。」
ロフトがあることで、
子ども部屋の使い方は大きく広がる。
遊び場にもなり、収納にもなり、
成長に合わせて使い方を変えられる。
施主・奥様:
「子どもたちにも、あのワクワクする感じを体験してほしいなと思いました。」
家は、ただ住む場所ではない。
思い出を育てる場所でもある。
■ Scene 04:信頼から始まった家づくり
― 家元との出会いについて教えてください。
今回の出会いは、少し特別だった。
家元ディレクター竹森の“妹家族”であること。
家元・竹森:
「身内だからこそ、むしろ責任を感じました。中途半端な仕事はできない。家族としても、プロとしても、最善を尽くしたいと思いました。」
信頼関係は、最初からそこにあった。
だからこそ、家づくりは自然な流れでスタートした。
【家づくりストーリー:中編】
― 家族の理想を、空間に翻訳する ―
このプロジェクトのテーマは、
「ロマンのあるホテルライクな住まい」。
若い家族の暮らしに寄り添いながら、
時間が経っても色褪せない美しさを持つ家を目指した。
■ Scene 05:若い家族のための家づくり
打ち合わせは、スムーズに進んだ。
家元・竹森:
「身内ということもあり、普段よりも率直な意見交換ができました。」
今回の家づくりでは、
土地選びからのスタート。
建物だけでなく、
土地とのバランスを考えることが重要だった。
家元・竹森:
「若いご夫婦なので、住宅ローンも含めて資金計画を丁寧に進めました。銀行との間に入りながら、無理のない形を一緒に探っていきました。」
建築は、図面だけでは成立しない。
資金、土地、生活設計。
すべてが整って初めて、家づくりは現実になる。
■ Scene 06:ロマンという設計テーマ
この家には、ひとつのテーマがある。
ロマン。
家元・竹森:
「年齢を重ねても、ふとした瞬間に“いい空間だな”と思える家にしたかったんです。」
そのために選んだのが、
無機質でシンプルなホテルライクテイスト。
余計な装飾は控え、
空間そのものの美しさを引き出す。
外観は、あえて窓を少なく。
壁の配置と光の入り方を計算し、
内部には吹き抜けによる開放感をつくった。
閉じる部分と、開く部分。
メリハリのある設計。
家元・竹森:
「少し美術館のような、“気になる空間”をつくりたかったんです。」
住まいの中に、
ほんの少しの非日常を忍ばせる。
それが、この家のロマンだった。
■ Scene 07:家族でつくるプロジェクト
この家づくりには、もう一つの特徴があった。
それは、家族ぐるみのプロジェクトだったこと。
お施主様のお父様は電気工事士。
設備の一部には施主支給も取り入れながら、現場と連携して進めていった。
家元・竹森:
「妹家族の家でもありますし、甥っ子が楽しく育つ家にしたかった。叔父としてできることは全部やろうと思いました。」
気づけば、
建築に関わる身内や仲間が自然と集まり、
ひとつのチームができていた。
家元・竹森:
「みんなでこのプロジェクトを支えた感覚があります。妹家族の幸せのために一致団結した、忘れられない家づくりでした。」
家は、一人では建てられない。
多くの手と想いが重なって、
ようやくかたちになる。
そしてこの家もまた、
たくさんの人の温度を宿しながら完成へと向かっている。
後編では、完成した住まいと、
“ホテルライクな日常”がどのように暮らしへ溶け込んでいったのかをお届けします。