2016.01.12
L spoon. vol.3開催報告・・・
政井さんはメキシコで生まれましたが、2歳でご両親が亡くなってからは、神戸の叔父さまのもとで育てられました。日本に来てからもメキシコの親類との交流は続いており、毎年足を運んでいるそうです。政井さんは「ファミリア(スペイン語で家族の意味)の絆が私を育ててくれた」といいます。中でも97歳になる祖母のことが大好きで、彼女の愛情の深さや優しさが、政井さんにとってのメキシコのイメージだそうです。
2014年には外務省から日メキシコ交流年親善大使として委嘱され、イベントの出演や、メキシコ報道関係者らへのインタビューなどメキシコと日本の架け橋として活動しています。テキーラ・マエストロの資格も取得したそうで、おすすめの銘柄も紹介していました。「メキシコは日本にとってまだまだマイナーな国かもしれませんが、多彩で複雑な面白い国。この国の魅力をもっと伝えていきたい」と抱負を語りました。
政井さんには、8歳の女の子と5歳の男の子がいます。育児はラテン流を取り入れ、ぎゅっとハグをするなど愛情をたっぷり注ぐそうです。バッグやコサージュをミシンで手づくりすることも多く、「世界にひとつしかないものなので子供たちが喜んでくれる。作業中の失敗をリカバーして乗り越えた時の達成感も楽しい」と話していました。夫で俳優の前川泰之さんは家事や育児に協力的で、政井さんをサポートしてくれるそう。「初めから完璧に家事をすると、その水準をずっと求められてしまいます。もしこれから結婚される方がいらしたら、小出しにしていった方が旦那さんも手伝ってくれるようになるかもしれませんね」とユーモアを交えてアドバイスしていました。
フリーに転身後、仕事の幅を広げて活躍する政井さん。イベントやシンポジウムの司会業は、アナウンサーと共通点があるそうです。「会社員時代は生放送が大好きでした。取り返しがきかない緊迫感や、一瞬にかける集中力。その雰囲気はやみつきになるものがありました。コメンテーターと一緒にその場をつくっていくイベントの仕事は、生放送にも通じるものがあります。シンポジウムの際はそのテーマに沿った勉強をして臨みます。インプットできるのがとても楽しい」と醍醐味を語りました。
「年を重ねると守りに入りやすくなってしまいがちなので、自分を奮い立たせていきたい」と力をこめる政井さん。今後の展望について聞かれると「勉強したい」といい、「勉強は、自分に時間を割いていることがはっきりするもの。朝に図書館に行ったり、カフェで本を読むなどして、すてきなおばあちゃんになるための投資をしたい。これまでの経験を生かし、社会に還元できるようになれたら」と話しました。
この日、政井さんはえんじ色のワンピースで登場。漆工芸が盛んな金沢に合わせて衣装をセレクトしてくださったそうです。すてきな気配りと前向きな姿勢、そしてチャーミングな笑顔。ポジティブなオーラを放つ政井さんから、いろいろなヒントをいただけたひと時でした。